依頼文は岡部まり秘書の朗読をそのまま書き起こしました。
ゾンビを待つ3姉弟 ★7 神回
大阪府 主婦(31)たむらけんじ探偵
我が家に8歳(姉) 6歳(弟) 3歳(弟)の三姉弟がいるのですが、全員ホラー映画が大好きです。
その中でも特にゾンビが出てくるものが特に大のお気に入りの様でいつも何度も何度も食い入るように見ています。そして最近ではゾンビが家に来た場合に備えて3人が協力し、戦い方の練習までしているのです。
「あーでもない、こーでもない」と3人で知恵を絞りシミュレーションを繰り返し、今では絶対にゾンビを倒せると意気込みもバッチリで本物が「いつ来るかいつ来るか」と毎日ワクワクしています。
なんとかお付き合い頂けないでしょうか。
【注】子供たち3人がそれぞれ誰か分かりやすくするために上から「姉」「弟」「末っ子」と表記します。
まず、依頼者のお宅に訪問します。そして依頼者である母親からゾンビ対策を始めた頃のビデオがあるので見せてもらいます。
ビデオでは子供たちがパンチ、キック、そしておもちゃの銃などを使ってゾンビを倒す映像が流れます。3人が連携して動いており、1人が布団の中に隠れて突然現れて不意打ちをするなどよく考えられていました。それを見た田村探偵も「正直思ってたよりフォーメーションもしっかりしていた」と驚くぐらいのクオリティーでした。そして最近では「おもちゃの銃では倒せない」ということで更にグレードアップした撃退法を考えているということでした。
VTRを見た後にさっそく3姉弟にインタビューして意気込みを見せてもらいます。子供たちはゾンビ用のパンチやキックの練習をしており子供ながら結構良いパンチやキックをくり出します。特に8歳の姉のキックは子供とは思えないぐらい結構威力がある感じで田村探偵も本気で痛がっています。というか田村探偵は結構ヘタレな感じです。
そして子供たちに「もし本当にゾンビが来た場合の本気の撃退を見せて下さい」とお願いすると「20分ぐらい準備の時間がかかるけどその後なら」ということで準備に取り掛かって貰います。
家中にゾンビ用のトラップを仕掛けるので、テンヤワンヤの大騒ぎになります。準備してる最中に探偵は何をやってるか色々と子供達に聞き込みます。
姉はゾンビは血が好きだからと血に見せかけたタバスコを使う作戦にします。タバスコは大人や子供の能力差は全く関係ないのでこれを飲まないといけないゾンビは大変そうです(涙)
その他、濡れたスポンジをドアの敷居に設置してそれを踏むと濡れて気持ち悪い作戦やサランラップをぐるぐる巻きにしてゾンビの動きを止める作戦など結構頭脳的な作戦が多いです。子供の場合、肉体的なハンデがあるのですがそれを見越して大人も子供も関係なく効果があるタバスコみたいな罠が多いです。
そして子供たちのゾンビの撃退の準備が整います。完成した罠に対して田村探偵が一つ一つ質問していきます。玄関にはガムテープを大量に貼り付けてゾンビが倒れる罠を仕掛けました。
更に部屋のドアの入口の上には玉子と団子の粉を入れた洗面器を設置して入ってくるゾンビに落とす作戦です。これは小学校で教室のドアに黒板消しを挟むのと同じですね(笑)
その他色んな仕掛けをして自信満々でゾンビを撃退すると宣言します。仲の良い姉弟です。
そんな感じで田村探偵が姉弟と色々話していると外から悲鳴が聞こえます。凄いわざとらしい感じで「あれ?外がどうした?」と動揺する田村探偵。急いでみんなで外にでます。
すると家の前で近所の人達が一生懸命逃げている光景が目前に広がります。結構凄い映像です。
実はこれ、ゾンビを登場させるにあたって田村探偵が事前に近所の家を一軒一軒まわって「ゾンビから逃げ惑う人々」の演技をしてもらう様に協力をお願いした結果でした。みなさん素人なのに上手いです。普段知っている近所の人がやるとリアリティーがありますよね。
突然のソンビの登場に末っ子は結構ビビります。そして家族で家の中に避難して撃退作戦が始まります。突然のゾンビの登場に末っ子は「怖い」を連発して早くも戦力外になります。
そんな中、近所のおばちゃんがゾンビからの手紙を持ってきます。そこに書かれていたのは子供でも読める様にひらがなでシンプルに
「もうすぐいきます ゾンビ」
という文面です。
この手紙を貰い、がぜん真ん中の弟がやる気を出します。ゾンビと戦う気まんまんです。心強いです。姉は黙々と仕掛けの準備をします。
そしてゾンビの到着です。ゾンビが到着するとVTRに
「仕掛けには、全てお付き合いします」
というテロップが表示されます。これには笑うしかありません。
そしてゾンビが部屋に侵入するためにドアを開けます。ドアを開けると早々に姉は洗面器の粉爆弾を落とします。ですが、ゾンビがまだ真上に到着してないので完全に空振りとなり手前の床に落ちてしまいます。姉もやはりびびっている感じです。
ここで弟が1人勇気を出して飛び道具を投げてゾンビを攻撃します。ゾンビは入り口の床に設置された水に濡れたスポンジをご丁寧に踏んづけて「冷たい~」と叫びます。罠には全部ひっかかるお約束通りです。
姉はこの間、次の作戦であるラップを準備しにスタンバイします。その間弟がゾンビに対して威嚇して奮戦します。リビングから別の部屋に撤退しながらも、物を投げつけたり、棍棒みたいな棒で叩こうとします。あの棍棒は普通に痛そうです。そして後退した部屋のドアを締めて次の作戦への時間稼ぎに入ります。
ここでVTRに「態勢が整うまで待つやさしいゾンビ」のテロップが入ります。バラエティのお約束です。バラエティの鑑ですね。素晴らしい!!
一方部屋の中では姉弟で揉めています。もう完全に戦力外になった末っ子は別として姉と弟では戦い方に相違がみられるようです。「ドアを皆んなで塞ごう」と提案する姉に対して、半べそになりながら「そんなん噛まれたらどうするん!!」とガチギレする弟。しかし姉も「こわいも~ん」とちょっとビビっている様子です。
ここですかさず探偵が「みんなで協力しよう、ちゃんと協力しないと殺られるで!!」と喧嘩している場合でないと姉弟を諭します。
すると弟が探偵に「殺られる言うくせに(自分)何にも全然手伝ってないくせに何言ってんや!」と叫びます。そして叫び声が途中から半分鳴き声に変わります。全くその通りですね。反論する余地がございません(笑)この弟のシーンは大爆笑もので実際にスタジオからも大爆笑の声が挿入されます。
そして、田村探偵に対してキレて吹っ切れたのか弟は「オレが戦ってやる!早く来い!」と勇気が戻ったのか勇ましい雄叫びを挙げます。この声に「入場OK」の合図と受け取ったゾンビは部屋に侵入してきます。
弟はおもちゃのプラスチックの刀をチャンバラの様に振り回してゾンビを攻撃します。結構痛そうです。そしてそのまま弟がラップを顔に貼り付けてゾンビの動きを止めようとします。
ここで作戦通りなら姉が一緒になってゾンビの体をラップでぐるぐる巻きにする予定ですが、姉は怖くてゾンビに近寄れず作戦が大幅に狂います。
それを見た弟が、ラップ作戦を諦めてそのままパンチ・キックの格闘戦に移ります。ゾンビは反撃して来ません。そのままタコ殴りになります。
それを見た姉も「大丈夫そうだ」と安心したのか一緒になってパンチ・キックの雨あられを見舞います。これは子供と言えども役者さんが痛そうです・・・・
田村探偵も「ゾンビさん大丈夫ですか?」と思わず口にします。そしてゾンビは「もうこんな家来ない!!」と捨て台詞を吐いて撤退します。
ゾンビが去った後に姉弟はリビングに戻り、弟は勝利の雄叫びを挙げます。しかし緊張感が切れたのか恐怖が消えたのかわかりませんが、泣き始めます。
弟は「みんなで戦ったから勝ったけど、みんな協力して頑張ると言ったけど協力せえへんかったら・・・」と泣きながら語ります。弟は良いキャラです。何より一番勇気があって勇敢でした。この弟の泣くシーンでVTRが終わります。
スタジオに戻って田村探偵はVTRを振り返り「弟は根性がある」と絶賛します。そして「彼が1人だけ頑張ってた」と言います。それなのに現場で探偵が弟に「誰が頑張った?」って何度聞いても「みんなで頑張った!」としか答えないと言います。
多分「オレだけ頑張ってみんな逃げてた」という声が聞きたかったのでしょうが、弟は「みんなで頑張った」としか言わなかった様です。まさに漢の中の漢でした。
こちらの放送は確か松本人志さんが何かの放送で面白かった最近のテレビ番組として言ったことでも話題になっていた作品です。単に子供達とゾンビの戦いが面白かっただけでなく姉弟愛を含めた純粋な子供たちの姿に胸を打たれるような深さがありました。シンプルでいて奥深い、そんな素晴らしい名作であると思います。