探偵ナイトスクープの感想 『父の遺品に小学生からの手紙』『最後の全力投球140キロ』2023/11/03




今週は異例の2本だてです。ここ最近での2本立ては記憶にある限り

● マライア・キャリーになりたい母 2018年12月21日
https://nangadekkyonna.com/archives/689

●自転車で伊勢にいく少年 2015年

以来の依頼だと思います。

2023年11月3日(金) 放送

自分の性に違和感を抱えた依頼者に真正面から対峙!周囲の人々や強力助っ人に支えられ、最初で最後の渾身の挑戦が始まる!!

  1. 父の遺品に小学生からの手紙
  2. 最後の全力投球140キロ

出演者
局長:松本人志
秘書:増田紗織
顧問:山崎貴

父の遺品に小学生からの手紙 ★★★★

石田 靖・静岡県の女性(51)から

私の父は8月に87歳で他界し、四十九日を終えた。遺品整理をしていたところ、物置の奥から家族へのメッセージやへそくりが出てきたりと驚くばかり。その中に、私たちの知らない小学生から、父宛の手紙が出てきた。

読んでみると、その小学生は「昭和」が大好きで、父が持っている昭和グッズや手作りのおもちゃを贈っていたようだ。やりとりは、今から10年前の、その子の高校受験で終わっている。住所も記載されているので、お会いして父の死を知らせたいのだが、「忘れられているかも」と躊躇している。

また、私も母も足が悪く、遠出するのにかなりのハードルがある。生前、物静かで無口な父とどんな交流があったのか?どんな方になっているのか?知りたいことがたくさんある、というもの。

調べていくと、少年と「ナイトスクープ」との関わり、そして、この日の顧問であり、映画「ALWAYS三丁目の夕日」の監督である山崎貴氏との不思議な縁が明らかになってゆく。はたして、「昭和」大好き少年は依頼者の父親を覚えているのだろうか?さらに、贈った昭和グッズをまだ大切にしているのか?

人探しの依頼です・・・と言っても手紙に住所があるので手がかりはあります。

最初は「住所を知ってるならんぜダメ元で手紙を出さないのか?」と思ったのですが、映像を見る限り依頼者は女性で脚も悪く車椅子の生活なので移動が大変なこと、それと見ず知らずの人に初対面の方に会うので間にテレビ局が入ってくれたらそういった手間を全部やってくれるので今回依頼をしたのだと思いました。

たまに「それわざわざ依頼する必要ある?」と思うような依頼もあるのですが、こちらは依頼者側の環境を考慮すると結果として依頼してよかったなと思いました。

依頼者の少年はもう昭和趣味をやめてしまったのですが、依頼者たちは高校時代にやめたと聞いたら「まあそこまで続けてくれていたら満足。高校生になったら趣味が変わってもしょうがないね」と納得していたようでした。

まあ高校生になれば、車やバイクなどのメカ関連、ギターやバンドなどの音楽関係など新しい世界に興味を持つことが多いので仕方がないというかむしろ趣味が変わって当たり前だと思います。変わらないのって多分スポーツをやってる人ぐらいじゃないですかね。甲子園目指してる野球少年とかJリーガーになりたいサッカー少年とか小さい頃から大学生までずっと変わらずにスポーツに打ち込んでいる印象があります。

少年は昭和レトロのコレクションをだいぶ処分したらしいのですが、その中でも捨てられなくて大切に残していたのが黒電話でした。それは旦那さんの勤務先だった電電公社(NTTの旧名)のマークが入った黒電話でしたので見て泣けましたね。彼にプレゼントした旦那さん本人もご家族の方もあれで相当報われた感があったと思いました。

最初に「今日の依頼は3本でなく2本です」と言っていたので、当初はこっちが長編になるのかな?と思ったのですがVTRは通常の15分で終わりました。少年がコレクションを続けていたらまた違っていた展開だったかもしれません。

余談ですが旦那さんが奥さんに残した手紙に「ありがとう」と一言だけ書いてあって奥さんが「それすら言わなかった」という話を聞いて「いや昔の人やばいやろ」と思いました。夏目漱石が「I Love You」を 「月が綺麗ですね」と訳した有名な話がありますが、照れくさいのを理由に感謝の気持ちや相手に対する愛情を「以心伝心で伝わる」「態度で示す」みたいな感じで表現するのはどうなのかな~と今更ながらに感じました。

昔と違って情報量が多くなった現在、多くの人が恐らく経験的に感じてることは「人は言葉に出して言わないとやっぱり伝わらない」ってことだと思います。ついつい相手には伝わってると思う以心伝心ですが、第三者を通してしか相手に確認できないので本人は伝わったと思っても実際は伝わらずに終わってる場面も多いのではないかと思いました。とまあちょっと話が横道にそれたのでこの辺で。

最後の全力投球140キロ ★★★

竹山 隆範・東京都の大学生(18)

私は、父がコーチを務める地域の軟式野球部に小学1年生から入部。父と毎日朝練に打ち込んだ結果、小学2年からピッチャーをするようになり、中学の野球部ではエースを務めるまでになった。

そんな私の成長を父も母もとても喜び、野球少年の私を全力で応援してくれていたのだが…。私は両親には言えない悩みを抱えていた。それは、「自分の体と心の性に対する違和感」。「野球が上手くなっていくこと、イコール男性的な肉体になること」という現実に耐え切れず、中学3年の最後の大会を前に不登校となり、ずっと自分の部屋に閉じこもっていた。

しかし、父や母、担任の先生や野球部の仲間に支えられたおかげで、徐々に自分の体と心の性に対する違和感に折り合いもつくようになり、高校では心も見た目も女性として生活。今年の春からは上京して大学に入学し、再び学内のサークルで野球を始めエースを務めている。

一方で、野球に打ち込めば打ち込むほど筋肉量が増え、体が大きくなっていく現実に耐えられなくなっていて、この先、女性ホルモン投与を考えている。ただ、そうすると体は女性へと近づいていくので、速球を投げることはできなくなる。

そこで、今の男性としての肉体から決別する覚悟を決めるために、私が投げられる最高速度の球は何キロなのか、自分の最高到達点を知りたい。出来ることなら、ピッチャーの夢である140キロが投げられると嬉しい、というもの。

「男性として生まれたが、性別は言うなれば“人間”」と言う依頼者は、体と心の違和感に気付いてからの苦悩を赤裸々に明かす。そこで竹山探偵は、当初は全く理解できなかったと語る父親や、依頼者の告白に頭が真っ白になったと打ち明ける中学の担任教師にも丁寧に取材し、依頼者への理解を深めていく。そして自己最高到達点を知りたいという依頼者に協力すべく、元プロ野球選手の藤川球児が助っ人として登場。ピッチングに思いの丈をぶつける依頼者と、大好きな野球で支えてきた父親の想いが交錯する人間ドラマが展開され…

LGBTに関する依頼です。依頼を見て率直に思ったのは父親や中学校の恩師にドキュメンタリータッチで当時を振り返る取材をしていて「そこまで掘り下げてやるんか?」ということでした。

しかし2023年現在、性に関する話題はセンシティブ(繊細)であり世間の意味注目を集める時事的な依頼にもなりますので番組側も気合を入れて通常の倍の30分枠で放送したのだと思います。(もしかしてギャラクシー賞狙い?)

見ていて思ったのは親が子供に「自分は性同一性障害だ」と言われた場合、子供視点だと親に対して「迷惑をかける」と思うだけですが、親の視点でみたら子供本人の「性の苦悩」に加えて更に親や周囲の人への「対人関係での苦しみ」もあり、当事者は二重三重の苦しみがあるんだろうなということでしたね。

親からしたら「自分もショックだけど子供本人の苦しみに比べたらそんなのは全然大した悩みじゃない。自分が辛い姿を見せると更に子供を苦しめる結果になってしまうから絶対に見せては駄目だ」ってことだと思いました。

日本では同性愛や性的なタブーに関しては世界的にみても社会がかなり寛容でありますが、キリスト教やイスラム教圏では同性愛など性に関しては聖書に厳格に明記されているために道徳や倫理観においてタブーであり歴史的に非常に拒否感が強いのが現状です。日本は倫理的に寛容である反面それにあぐらをかき西洋に比べて法的な整備が遅れていますので、そういったLGBTで悩んでいる人達がなるべく悩むことがないような環境に、もっと言えば生きやすい環境に早くなればと思います。

VTRが終わりスタジオで竹山探偵が「今回お父さんは同じように悩んでいる当事者やその家族がこの放送を見て少しで勇気づけられればと思って出演を了承した」というのを聞いて確かにそれは放送する必要があると思いました。まあ母親は登場しなかったのでやっぱりその辺は色々難しいところがあるのだろうな~というのが現状だと思います。ただこの放送を見て性に悩んでいる中高生の方で救われたと思った人は沢山いたのではないかと思います。

最後に藤川さんは褒め上手の教え上手だと思いました。今後指導者として成功するのではないでしょうか。

【協力】
●藤川球児さん・最速156km

●屋外型スポーツ施設 スポドリ
https://www.tokyo-dome.co.jp/spo-dori/




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