今回の依頼は最後の依頼者が発達障害(ADHD)であり、そういった意味で別の観点から興味深く見させてもらいました。
1.『家の井戸とお城が繋がっている!?』 ★★★
澤部 佑探偵 三重県の女子高校生(16)から。
私の家の裏に井戸があるのだが、その井戸が伊賀上野城にある「忍び井戸」という井戸と繋がっていると、父が言う。
私はそんなことはないと思うが、お父さんは「きっと繋がっているはずだ!」と言ってきかず、「歴史的大発見になる!」と騒いでいる。
お父さんがナイトスクープに依頼して欲しいとしつこく言うので、真相を調査してもらえないだろうか、というもの。
面白そうな依頼です。古い資料を見るとたしかに井戸に抜け道がある可能性があり、そして井戸のある場所がちょうど抜け道があってもおかしくない場所にあることから「もしかしたら」という予感が高まります
一番の見どころは井戸に向かって「澤部さ~~~ん!!」と依頼者が叫んだシーンでした。繋がっていたら声が聴こえるはずだということで叫んだのですが確かに微かに「澤部さ~~~ん」という声が聞こえます。「これは!!」と思ったら携帯電話が拾った依頼者が叫んだ声でした。しょんぼり。
さらに井戸に潜って調べると井戸の底に小石が詰め込まれた雰囲気があります。この小石を取り除けば中に空間があって秘密の抜け穴かもしれない・・・・と期待が高まったのですが、単に井戸水のフィルター用の小石なだけでした。
お城の抜け穴ってだいたいお城があればお城の数だけ存在するような気がするのですがいつも思うのは井戸に出る幽霊と同じぐらい胡散臭い話になりますよね。
というのも、仮に抜け穴を掘るとなると相当の規模の坑道になるので例えば100mの抜け穴だとしても大量の土砂が排出されるのでその時点で秘密で作業するのはかなり難しくなります。それと建設中に抜け穴が陥没する危険性があるので開通するまでかなり木材を使って補強作業をすることになります。もう大事です。
城内の井戸と城下町の外れにあるお寺の古井戸を結ぶ秘密の抜け穴とか多分、こういった話は全国津々浦々にたくさんありますが実際に繋がってる実物は一つもないんじゃないでしょうかね。そもそもお堀の水が落ちないように相当地下に作らないといけないでしょうし。
しかしまあ夢がある依頼でした。
2.『31歳の娘 お父さんに婚約破棄の報告』 ★★★ 3.5
橋本 直探偵 大阪府の女性(31)から。
今、実家に帰りづらくて困っている。私は31歳の独身。この夏、素敵な出会いがあり、まもなくお付き合いが始まった。浅い付き合いとはいえ2人の気持ちは燃え上がり、“結婚”の言葉も出た。
そこで両親に紹介しようと思い、普段からあまり話をしない父に「大事な方を連れて行きたいから実家を片付けておいて」とお願いした。しかしその後、彼との交際はひと夏で終わってしまった。
しかしちょうど同じ頃、父から一通のラインが。「お父さんです。8畳の客間、畳を入れ替え、照明器具をLEDに替えました。部屋を大掃除しました。まるで旅館の一室です」と。 とんでもない期待をさせてしまった高齢の両親のガッカリする顔が目に浮かび、一人では到底帰れない。どうか一緒に実家に帰り、両親に真実を伝えて欲しい、というもの。
なんか、しょーもない依頼かなと思ったのですが、意外や意外、結構面白いナイトスクープらしい依頼になりました。依頼者は失恋したと言ってもかわいらしい女性で振った男性に対して「もったいないことするなぁ~」と思いました。
実家は非常に豪華な家で資産家の様子。ご両親もいい感じの雰囲気の家族です。
最終的に軽いテンポのクイズをしてそのクイズの問題に恋が終わった話をぶち込んでネタバラシをしたのですが、切ない感じに終わりました。しかし、思ったほど両親もショックを受けず(といっても婚約破棄でなく普通に失恋しただけですので冷静に考えればそこまでではないですよね。)まあ無事?に終わってよかったと思いました。
依頼者の雰囲気からしたらまた半年もしない間に素敵な彼氏ができそうです。ただ、この依頼に関しては橋本探偵が依頼者と付き合って結婚すれば無事に円満解決です。お父さんが「橋本探偵なら毎月30万ぐらいお小遣いをあげる」と言ってたので万々歳です。
3.『特許品を恩師に見せたい』 ★★★★
たむらけんじ探偵 徳島市の男性(54)から。
私はこの夏、自身の発明により特許を取得することに成功。特許庁から連絡を受けた時には感無量となり、これでやっと恩師・遠藤先生に報告ができると涙がこぼれた。
遠藤先生は、小学校6年生の時の担任の先生。私は小さい頃から問題行動が目立つ子供で、誰からも認めてもらったことがない。そんな私に学ぶことの楽しさを教えてくれたのが遠藤先生で、私の独特の発想を褒め、創意工夫することの大事さを教えてくれた。
だが、小学校を卒業して42年。先生もおそらく80歳を過ぎる高齢なので、時間がない。一緒に遠藤先生を探し、感謝の気持ちを伝えさせてもらえないだろうか、というもの。
依頼を聞いてまず思ったのは「先生は現在80歳なので平均寿命を考えてると2分の1の確率で亡くなってるだろうな」ということでした。
依頼者の宇都宮哲さんは欽ちゃんの仮装大賞に連続出場する常連の方で本戦の出場回数は40回。その道?の世界では非常に有名な方らしいです。しかし、特許も凄いけど仮装大賞の出場回数の方が凄い気が・・・・(・・;)
依頼者の発明は膝のサポートをする器具で田村探偵は発明を見せられてなんか「え?これ?」という雰囲気を出しまくりの微妙な発明でした。ただ、依頼者からしたら特許を取るのが悲願だったのでしょう。多分他の方と特許に対する価値観が違っていたのだろうなぁと思いました。
小学校の付近で聞き込みをするもわからず、結局依頼者が未だに連絡が取れる小学校時代の友人が先生と15年前まで年賀状のやり取りをしていたということで年賀状の住所を訪ねることになりました。
友人は40歳ごろまで小学校時代の恩師と年賀状のやり取りをしていたのは凄いです。年齢を重ねればわかりますが、年賀状のやり取りだけでもこういった付き合いは大切です。
先生のお宅を訪問すると先生は無事に存命で在宅、しかも先生は80歳を過ぎてるのに相当お若いイメージです。びっくりしました。見た目だけでなく話しても頭脳も明瞭で今でも普通に学校で授業ができそうな感じです。
結局先生にお会いして感謝の言葉を伝えて、先生が特許とった発明を試して依頼は無事に円満解決しました。先生は年寄りなので膝のカクカクが無くなったと発明品を大変に褒めていました。個人的には膝の悪い老人にあと数人に試してみて貰いたかったです(そこじゃないだろ)
★おまけ
ここから先はちょっとだけ感想を超えた考察の話になります。
ナイトスクープは時折「奇人」が依頼者となることが多いのですが、今回の依頼者の宇都宮さんは自身の依頼分でも
>私は小さい頃から問題行動が目立つ子供で、
>誰からも認めてもらったことがない。
と書いてあるように発達障害(ADHD)の疑いがある方です。そして依頼の映像でも分かるのですが、先生に再会した際に突然感極まって「ぶわ~(T_T)」と泣き出しました。
突然の感情の爆発に田村探偵がちょっとびびってましたけど、感情のコントロールを含めて完全に発達障害の症状です。感情がジェットコースターの様に急変します。この辺りの挙動不振な雰囲気で「変人・奇人」と言われて辛い人生を歩んできているかと思います。
もう一つの特徴が「仮装大賞に連続出場」「特許の取得」で発達障害に特有の想像力の豊かさです。代表的な有名人がエジソン。生涯数多くの発明をしたけど奇人であり小学校を退学させられた人物です。
以前、どんぐりの少女が出演した際も発達障害を指摘しましたが、彼女とはまた別のタイプの発達障害ですね。
ただ両者とも「多動」つまり落ち着きがなくじっとしていられない点は(脳みそも落ち着かず常に何かを考えてるからビックリするような素晴らしいアイデアが思いつく)共通した部分であるように思います。
まあ特徴は「ちょっと変」「この人変わってる」という感じでしょうかね。もっともっと発達障害にフォーカスを当てて世間の人達に特徴を知ってもらいたいです。