探偵ナイトスクープの感想 『空手の母は強し』2002/06/21




空手の母は強し ★★★★★  神回

依頼文はVTRからの書き起こしになります。

石田靖 探偵 37歳の女性から

探偵局の皆様、私には6歳の一人息子がおり、強く育って欲しいという思いで、3歳から空手を習わせています。

そして私自身も子供にとって強くたくましい母親となるべく半年前から息子と同じ道場で空手を習い始めました。

息子に強い母の姿を見せたいと思うものの、子供相手にボコボコにやられる始末です。そんな私を見て息子は言ったのです「母ちゃん、本当は弱いんじゃない」と。ここはなんとか母親の強さを見せねばと思い

「お母さんは空手の試し割りの板も30枚ぐらい簡単に割れるのよ」

と言ってしまいました。どうしたらよいでしょう。(秘書、局長、スタジオ内大爆笑)

まず、石田探偵が依頼者の自宅に訪問します。そして母親にどのような状況であるかをインタビューします。母親は嘘を言ったことに困り果てて「板に細工があってもズルでもとにかく割れればいい」と言います。いきなりの凄い発言です。

これには石田探偵も驚きます。あまり子供の教育によろしくないですね。そこで旦那さんはどう思っているか気になり「ちなみに旦那さんは?」と聞くと「見捨てられて今は子供と2人です」と言います。どうやら父親がいないからなおさら母親が父親の役割である「強さ」も見せたいという思惑もあるようです。

そこで現在の実力がいかほどか、ボクシングのミットを持って自宅のお部屋でミット打ちをしてもらいます。すると「ポス」「ポス」「ポス」とあまりに非力なパンチを打ちます。これは相当貧弱です。子供にボコボコにやられると依頼文に書いたのも頷ける実力です。

ここで一旦母親は置いておき、今度は息子と二人っきりになり母親のことを聞いてみます。すると「今はかあちゃんは練習中だけどいずれやる」「なんだって良いから『とにかくやる』といつも言っているので母ちゃんはやる」と母親を信じた受け答えをします。息子の母親への信頼感は相当高いです。だから逆に母親は息子の期待を裏切りたくないのでしょう。

この息子の無垢な心に石田探偵は強く打たれたのか、母親に「ズルなしに板を割れるように頑張ろう」と息子の前で提案をします。それに対して母親は「そんなの簡単よ~」と余裕の受け応えます。どうやら息子が目の前にいたので余裕の母親の姿を見せつけたかったようです。(ああ、だからこういう事態に陥ったのね・・・ということがよく分かった光景でした)

いざ、板を割るということでみんなで場所を移動して砂利が敷かれたお寺のような日本庭園のような場所に来ます。そこで母親は空手の道着に着替えて板割りの練習をします。目の前に目標である30枚の板が用意されているのですが半端ない厚さです。だいたい厚さは50センチぐらいあります。足元から股間ぐらいまで板が積み上げられています。空手をやっている男性でも厳しい厚さです。これには探偵も呆れ気味になります。。

この状況に困った石田探偵は正道会館の子安慎悟選手を助っ人に呼んでもらい協力をお願いします。子安選手は現場に来ていきなり即答で「黒帯のプロでも30枚は無理。自分たちでも無理」と言います。そこで子安選手は別の提案をします。「30枚を1枚1枚連続で割れば気持ちは息子さんに通じるから」と「一気に30枚」から「一枚の板を30連続で割る」という方法に目標を変更します。

そして、実際に30枚を割るのはどのぐらい大変であるのかを母親に教えるために、実際にデモンストレーションで30枚の板を連続で割ります。30枚の板を割り終えた後探偵は母親に「これでもまだ続けますか?」と聞きます。

というのも、実際に板を割る姿をみると空手をやっている黒帯の男性でも簡単に割れるという感じではなかったので、もし板を割る練習をするのであれば相当困難が伴うことが容易に予想されたからでした。実際に石田探偵も「無理なら無理って言ってもいいです」とリタイアしてもOKと言ったぐらいでした。

すると母親は「やります」と神妙な顔つきで言い切ります。母親の意地ですね。そしてやり抜くと決めたので早速その場で子安選手の猛特訓が始まります。ポスポスポスと気の抜けた正拳突きをしていて、これは先が長そうだと思った矢先、何度か板を「セイ!」という掛け声と共に叩いていると突然「ポコ」と板が割れました。これには一同が「割れた」と驚きました。板の急所ではないですが、明らかに割れそうにないパンチで板が割れたのでみんなびっくりしました。

練習を続けていると、母親は子安選手に一つ要望を出します。それは「後ろ回し蹴り」で板を割りたいと申し出たのです。これに対して子安選手は「これは難しい」とうなります。

まず後ろ回し蹴りを成功させるためには足の高さが腰より上に上げないといけないのですが、母親はその高さまで足を上げることができないません。ですからまず足を高く上げること。そして、その後に目標の板に当てることと、更に威力もある程度ないと割れないのでかなりの難易度が要求されます。これらの一連の練習中に子安選手や探偵も冗談一切なしの厳しい指導と声掛けをします。そして練習を終えて板割りに備えます。

ここでVTRが切り替わりカメラは空手道場の中の映像を映します。そして別の場所に控えてきた息子が登場します。母親の板割りの実演を見せてくれると言うので神妙な顔つきをしています。

道場には板割りを行うために30人の道着姿の空手家達が横一列となってずらーと壁際に整列しております。そしてみんなが手に一枚の板を持っています。この板を一人ずつ順番に割って30枚の板割りを成功させるというのが今回の作戦です。

そして板割り30枚の本番が始まります。

まず、一枚目、

「セイ!!」という掛け声と共に板を割ることに成功します。これには驚きました。自宅で探偵相手にミット打ちした姿から想像できない状況です。あの状態では板を割るまでに最低半年はかかりそうな感じでした。一体何があったのでしょうか・・・・

そして2枚目も難なく成功します。よく見ると今までのポス、ポス、ポス、というパンチと違います。拳全体に体重をかけて体全体で板を割っている感じです。威力がないぶん体重を上手く載せたパンチをしています。

3枚目に入り拳ではなく今度は肘で割ります。流石に30枚を拳だけで割ったら骨折すると思うので、体全体で割る作戦です。なおここで注意してみると母親の拳にはバンテージらしきものが巻かれていて、拳を保護しているようです。これで多少は安心できます。

そして次はまた正拳突き、次は前足蹴り、と様々な攻撃を駆使して板を割っていきます。そして次に上段蹴りをします・・・がここで初めて失敗します。板に足が跳ね返されてしまいます。見た感じスピードというか切れ味と重さがないので板に弾かれてしまいました。急いでもう一度やるのですが、またしても失敗してしまいます。その為母親は上段蹴りを諦めて肘で割ります。上段蹴りだと体重を載せたキックができないので恐らく失敗したのだと思います。

この様に快調と言わないまでも一応板を割り続けていきます。そして残り10枚までたどり着くことに成功します。母親は既に体力的に厳しいのかハアハアと肩で息をする状態になってます。そして、スピードと重さがないのか板を割るのに苦戦し始めるようになります。

残り10枚となり、背面からの裏拳ならぬ裏肘を使って板を割り始めます。これは腰を使って回転して打てるので疲れていてもスピードがでて板が割りやすい感じです。

そして残り7枚となり伝家の宝刀である「後ろ回し蹴り」を繰り出します。しかし、疲れと足に高さがないことから板届かずに不発に終わります。そしてもう一度チャレンジします。

2回目の回し蹴りも、高さが足りずに腰の位置ぐらまでしか届かなかったのですが、板を支えてくれた人が高さを下に下方修正して命中。無事に割ることに成功します。(スタジオから少し感嘆の声が挿入されます)本来ならどよめく様な雰囲気なのですが緊迫感とまだ残り6枚が残っていることで淡々と続きが開始されます。

そしてとうとう最後の30枚目に到達します。母親は息も絶え絶えになりながらも無事に最後の一枚を割ることに成功します。30枚を割り終えると板を持ってくれていた30人を含めた大勢の人達が母親に割れんばかりの拍手喝采をしてくれます。

石田探偵が息子に感想を聞くと「凄かった」と一言ポツリといいます。探偵が息子に「お母さん強いな~」といいます。そして子安選手に「先生どうでしたか?」と感想を求めると子安選手は感動で感極まって泣いてしまっています。言葉が出てきません。

周囲には、何というか厳かな雰囲気が流れています。どうみても絶対に無理そうな30枚の板を息子のために全て割りきった母親の底力に圧倒され、とにかくその凄さ、凄まじさにみんなが圧倒された感じです。心を打たれるとは文字通りこういうことなんだろうなと思います。拍手をしてくれた人々も本当に心から感動して拍手をしているといった感じでした。

そして子安選手が声を震わせながら言います。「お母さんは強いよ。でも、もっと強いのは毎日ごはんを作ってくれたり、君のことをここまで大きく育ててくれたことが一番凄いことだよ。今度はやっぱり君が空手を頑張ってね。そしてお母さんを守っていけるように自分自身が強くなっていかないとね、わかった」と優しく語りかけます。

そして探偵の「お母ちゃんは強いか?」という問いかけに「強い」と答えます。そして板を割った母親に対して「ありがとう」とお礼をいいます。

それに対して母親が言葉ではなく頭をなでなでした行為で返答すると息子は突然「あああぁぁ~~~ん」大泣きをし始めます。母親は突然の号泣に驚くのですが、泣いた息子を直ぐに抱きしめます。

母親は「どうしたの?(どうして泣くの?)」と聞くと息子「わかんない」と答えます。「どうしたの?」「わかんない」という問いかけを連発していると探偵が「子供ながらに感動してるんだけど多分自分でその気持がわかってないんでしょう」といいます。そして「次の画面は西田局長のアップです」と言ってVTRは終了します。

すると局長の大泣きのシーンが映ります。すかさず北野誠探偵が「局長は1枚目の時点で既に泣いてました」と言ってCMに入りVTRは終了します。

母親が板を割りきれたのはまさしく母親だったからでしょう。まさに母は強しです。




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