探偵ナイトスクープの感想 『亡き夫のカオマンガイ 』2015/01/23




亡き夫のカオマンガイ ★★★★★

橋本 直 岡山県の女性(44)から

カオマンガイの専門店を経営しているが、店主である主人が突然、心筋梗塞で倒れ帰らぬ人になってしまった。

カオマンガイはタイではポピュラーな料理で、ご飯の上にゆでた鶏肉を乗せ、特製のタレをかけて食べるもの。主人は本場タイで修業した味に、日本人になじみやすいように工夫したタレを作り上げた。

とても美味しいと評判だったが、そのタレの作り方は主人しか知らない。タレを作るのに使っていた調味料は分かるが、細かい分量や配分が全く分からず、このままでは主人の味を再現できない。

先日、主人が作っていたタレを店の冷蔵庫で見つけた。亡くなる前日に作ったものだと思うが、この手紙を出す時点で3週間が経っている。最後のタレが腐る前に、残された3人の子どもたちや、常連のお客さんが大好きだった主人の味を復活させてもらえないか、というもの。

主人が突然亡くなったのでタレのレシピを知らずに途方に暮れている。残されたタレがあるのでそのタレからレシピを復活させて貰えないか?という依頼です。タレが腐る可能性があり時間との勝負なので結構切迫した依頼文です。

橋本探偵が早速お店のある岡山県の向かいます。お店に到着するとお店の前の壁には「カオマンガイ専門店」としっかりと書かれています。

店内に探偵が入ると依頼者にご主人が亡くなった際の詳細を聞きます。当然ですがあまりに突然のことにまだ依頼者も依頼者の家族も気持ちの整理がついていない状態だそうです。

一通り話を聞いた後早速ですが主人が亡くなる前日である三週間前につくったタレを見せてもらいます。お店で使う仕込み用のタレなのでタレ自体は思ったより量が残っています。探偵は「いやほんまよう残ってたわ~」と言いながら味見をすると「おいしい~」と漏らします。

どんな調味料が入っているか依頼者に聞くと「生姜とタイの4つの調味料は使っている」と言ってタイの調味料を出します。ただ依頼者もタレ作りは殆ど主人任せで何を使っているのか分からない状態です。探偵がそれぞれ試食すると

●タイの酢(DAM TANG) 「結構酸味が強い」ともの凄い酸っぱい顔をします。
●シーユーダムワン 黒蜜みたいで「これはみたらし団子のタレみたい」と言います。
●タイの味噌    「これは美味い。もろみに近い感じですね」
●パームシュガー  開口一番に「あっま~」ともの凄い甘さであったそうです。

これらの調味料を配合の妙で合わせるのですが探偵らではどうしようもありません。切羽詰まった依頼者が「イタコを呼びますか?」と窮したように言います(笑)それに対して探偵は「それはまだやったことがないんですよ」と苦笑交じりに答えます。

イタコでは駄目なので専門家である「あまから手帖」編集顧問の門上武司さんに電話をして相談をします。門上さんが言うには「音楽の世界で絶対音感を持った人がいるように料理の世界で絶対味覚を持った人がいる」「その方に頼んだら再現が可能かもしれない」ということで凄腕の料理人を紹介してもらうことになりました。

お店で待っていると創作料理「Genji」の店主である元川篤さんが訪ねて来てくれました。探偵らが「元川さんしか頼れる方がいないのでお願いします」と言うと元川さんは「世間では盗作料理人と呼ばれている」と笑いながら言います。

早速元川さんにカオマンガイを作り残されたタレと一緒に味見をしてもらいます。美味しいと言って食べ終わった元川さんは「タイの調味料に精通してなくこの4種の調味料も初めてなので結構難しい作業になりそうだ」と言います。

まず最初に4つの調味料を同量ずつ使って味を見ていきます。元川さんはさらに「煮詰める時間は分かりますか?」と依頼者に聞くのですが依頼者は「わからない」と答えます。探偵が「煮詰める時間で違いますか?」と聞くと「それはもう結構変わりますね」と厳しそうな感じで答えます。

まずは10分ほど煮込んだ試作のタレを作りそれをベースにしながら更に味の微調整をしていきます。元川さんが「ニンニクも入っている可能性がある」というと依頼者は「入っているかもしれない」と返答したのでニンニクも入れていきます。

探偵は「ニンニク入ってるなら最初から言ってよ~」みたいな感じで依頼者を追求します。元川さんがニンニクを入れて味見をすると塩気について言及します。4つの調味料の中では味噌しか塩分がないけど間違いなく味噌以外で塩分が入っていると疑問を呈します。

すると依頼者が「もしかするとタイの醤油があるけど使っているかもしれない」ということで早速持ってきます。元川さんが味見をすると「僕は入っていると思います」と言います。

タイの醤油を入れて微調整すると味見をした依頼者が「近い!」と言います。更に探偵が味見すると「あ!間違いなくこいつは入ってる」と即答します。

それから更に味の微調整をしてオリジナルのタレとも比較しながらタレを作りますが、あと一歩何かが足りない感じになります。

元川さんは「和の要素があるんですよね~」とつぶやきます。探偵が「違う要素がまだある可能性ありますか?」と聞くと「ボクはあると思いますね」と即答します。まだ何かあるようです。

元川さんは「ご主人は日本人に合うような感覚で作ってはる」と日本の醤油を疑うのですが依頼者は「使ってないと思います」と答えます。それに対して探偵は「作ってるの見てないんですよね(なんで使ってないと言い切れる)」と依頼者に詰め寄ります。

とりあえずやってみようということで日本の醤油を足して味見をしてみます。すると依頼者と探偵は「メッチャ近い」と劇的に近づいた感じになります。どうやら醤油を使っていたようです。ただし後味が微妙に違うようです。ここで元川さんは煮込み時間などを考慮して更なる微調整をして後味を修正するようにしていきます。

微調整して出来上がったタレを依頼者が味わいます。すると突然「この味」と言いながら依頼者が泣き始めます。そして元川さんに「ありがとうございます」とお礼を述べます。どうやら完全に味がオリジナルのタレと一致したらしく「(最終調整で)一気に来ました」と微調整が大成功したようです。

それを受けて元川さんが
「お役に立てて、この仕事をしていてよかったと思いました」
「まあ当然ウチの店のメニューにもなる」
と冗談交じりに述べます。それを聞いた探偵が「怖い怖い、真顔でそういうこと言わないで下さい」と突っ込みます。

タレが完成したということで依頼者の子供達と常連さんを呼んで試食をします。試食をした常連の皆さんは「うん、凄い!そのまんま」と美味しいと感動しています。

子供達も「これです」「ほんま凄いな、同じ」と口々に言います。そして元川さんに「ありがとうござます」とお礼を述べます。子供さんの礼儀正しさにびっくりです。しっかりしたお子さんですね~。

最後に依頼者や子供達が元川さんにお礼を言って元川さんも「これから頑張って下さい」とお互いに挨拶をしてVTRは終わりました。




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